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令和2年1月7日創刊 介護、テレビ、メディア中心に社会問題まで「ほんまやで~」と気がついてもらうオピニオンサイト

認知症の薬をやめ祖母の認知症症状が劇的に改善した

祖母が認知症の進行で昨年11月末、老健から精神病院へ転院し約1ヶ月。

老健でみられた大声を出したり、他の利用者に暴言をはくなどの粗暴行為が落ち着き状態が安定し食欲も回復。

私は主治医から「最初来た時は全介助が必要で状態が安定しているので、大部屋に移して様子をみましょう」と説明をうけた。

私は主治医に「ご無理言って申し訳ないのですが、極力薬を使用せず、様子をみてほしい。祖母に人間らしい生活を送ってほしいので」とお願いした。

なぜなら、以前認知症の薬を使用し祖母の症状が悪化したことがあるからだ・・・。

「呂律は回らない、歩行困難、大きないびき」

昨年夏、徘徊、外出願望、トイレの便器と逆を向き尿をしたり、お箸とスプーンの使い方、着衣着脱ができなくなるなど認知症の進行が加速し、病院へ。

「最近調子はどうですか?」、「ご飯は食べられていますか?」、「よく眠れていますか?」と2分ぐらいの診察。

そして、医者から「興奮状態を抑える薬、よく眠れる薬出して様子をみましょう」といわれた。

処方された薬は認知症の進行を抑えるレミニールが朝・夕1錠、興奮状態を抑える安定剤の『セレネース』が朝・昼・夕と1錠、睡眠薬の『レンドルミン』と『ユーロジン』が1錠ずつ。

病院から帰宅し、早速服用させると祖母の容態が急変した。

日中は呂律が回らなくなり何を言ってるのかわからず、部屋中の服を荒らしたり、フラフラで歩行困難。

夜間は今まで聞いたことがない大きないびき、夜間から早朝まで一度も起きてくることはない。

私が「ばあちゃん、今日はデイサービスやで起きや」と10回程度言ってようやく体を起こしはじめた。

祖母は歩行がフラフラ、呂律は回らない、あくびばかりしている・・・。

「異常行動が止まらず老健でも似た症状が・・・」

祖母のあまりの変貌ぶりに私は急いで主治医と連絡をとり、再度病院へ。

医者から「徘徊や情緒不安定や不眠が醜いと言われたので、ガッツリ薬を出しました。セレネースユーロジンをぬいてレミニールだけ飲ませてください」と言われた。

そして、夕食後レミニールを服用させしばらく様子をみた。

すると、自分の部屋でしゃもじや自身の若い頃の写真をベッドの上に置いたり、カバンからメガネ、財布、口紅などを取り出したりしまったり。

ある時はタンスからたくさんの洋服を取り出したりしながら「あーもうわからへん、もう」と何度も大声で叫び興奮状態にあるようだった。

私は「ばあちゃん、もう夜遅いから早く寝るんやで」と伝えるも「わかってるの、だけどこれが終わらないと寝られないのよ」と言ってきた。

そして、朝方「おえっ、おえっ」と声がしたので、様子をみにいくと部屋に嘔吐していた。

これと似た症状が最初に入所した老健でもみられた。

老健では粗暴行為が度々発現し、『プロキゾラム』、『デパス』、『チアプリド』3種類の精神安定剤を投与された。

すると、祖母は口をあけてぼっとし一点をみつめ何もしゃべらない。

食欲も減退し、点滴投与寸前で衰弱し一時期覚悟した。

「余分な薬を減らした結果元通りの祖母の姿へ」

話を老健から在宅介護の話に一旦戻る。

主治医に症状を説明すると、『レミニール』とよばれる認知症の進行を抑える薬の副作用に興奮し吐き気をもよおす場合があって出たのではないか、一度薬を全部ストップして様子をみてましょうか」と言われた。

寝る前に『ロゼレム』1錠、『ユーロジン』半錠を服用する以外は認知症に関する薬は以前の『メマリー』のみに戻した。

 現在入院中の精神病院の主治医、介護士、看護士は脱認知症、脱精神安定剤、脱鎮静剤という私の無茶ぶりなリクエストに協力していただいている。

そのおかげで老健で一時期は危ないと思った祖母がみるみる回復し、表情がよく笑顔も多くよく話し、とろみ食ではあるが、食欲もあり老健でみられた粗暴行為もない。

 つまり、私の祖母の場合は薬の副作用が強く出てしまった格好だ。

主治医も「薬や鎮静剤でQOLが低下することも少なくないからねえ、慎重に投与すべきだね」と言っていた。

祖母だけではない。

 国内で認知症の症状進行を抑える抗認知症薬が85歳以上の高齢者人口の2割に使用されているとする調査結果を、医療経済研究機構のチームが発表した。

それによると、認知症患者は国内で約500万人いると推計されているが、2015年4月からの1年間に抗認知症薬が処方された173万3916人分のデータを分析した。

その結果、人口当たりの年間処方率は年齢と共に高くなり、85歳以上の高齢者で17%。年間総処方量の47%が85歳以上の患者だった。

また、富士経済の調査によると、認知症治療薬の市場規模2024年に2045億円となり、15年実績(1442億円)に比べ市場が40%以上拡大するとの調査結果 22年には2000億円を突破予定。

20年までは毎年、市場が前年比で100億円前後拡大、21年は前年比約40億円増、22年以降は毎年、前年比30億円未満の増にとどまり、21年以降は成長が鈍化すると予想されている。

厚労省有識者検討会は1月末、認知症の治療薬を使用中に幻覚や暴力、めまいなどの副作用が疑われる症状には医師らに中止や薬の変更を検討する方針を打ち出した。
薬の多用で高齢者に副作用などのトラブルが出るのを防ぐのが目的。

今回祖母の症状が劇的に改善したことや諸外国に比べ日本の処方率の高さ、相次ぐトラブルをみると認知症の人に処方する薬はやめるか、使用しても最小限が好ましいのではないだろうか。

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