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令和2年1月7日創刊 介護、テレビ、メディア中心に社会問題まで「ほんまやで~」と気がついてもらうオピニオンサイト

姫路城にバリアフリーを

追記 スマニュー掲載、PV1日で1500近く。

読者の方々ありがとうございます。

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筆者は先日友達と何年かぶりに世界遺産の姫路城へ行き、驚いたことが。

 

 

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夕焼けの姫路城

「なんやこれすごい階段やなあ、1階から6階まで上り、下り全部こんな急な階段かよ、バリアフリーの時代に信じられへんな」と笑いあいながら、階段をひたすら上り下った。

姫路城にバリアフリーは必要か否かを在宅介護経験中の筆者が考える。

「階段で骨折、転倒したらどうする?と心配の声続出」

その階段が下記写真。

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姫路城の急勾配な階段 1~6階まで上り下り



一昔前、田舎の家にあるような急勾配な階段。

階数によって若干差はあるが、1階につき10段少しあり、途中高さが低すぎて頭をぶつけそうになる。

しかも靴を脱がないといけないため、滑りやすい。

訪れた日が休日で子供連れの親子がたくさんいたが、「ここで転倒してケガしたら保証とかあんのかな?」、「骨折して運ばれてる人とかおらんのかなあ」と心配そうに話していた。

お年寄りは両方の手すりをもちながら、ゆっくりゆっくり上ったり降りたりしていた。

 筆者は認知症の祖母を在宅介護し6年目が経過するが、とても連れていけるような状態ではない。

祖母は要介護4で足腰も弱りやっと歩けるかどうかなので、姫路城に行くことは難しいが、お年寄りの中には元気で歴史好きな人も少なくないだろう。

姫路城の職員に聞いてみた。

私「すいません、天守閣上るのに車椅子のレンタルはありますか?」

職員「ご用意がございません」

私「ではお年寄りや体が不自由な方や子供が天守閣に上れるようなルートはありますか?」

職員「特にルートは設けておりませんので同伴の方が介助をしていただくかでございますね、急な階段もございますので足元は十分ご注意ください」

私「えっ?エレベーターもないんですか?」

職員「・・・」

 

http://www.city.himeji.lg.jp/info/faq/detail.html?faqId=1538

姫路市のHPによると

46メートル程の小山の上に築かれていることから、坂と階段が多く、車いすでお越しの場合は、経験豊かな3名程度の介助者の随行がご本人の安全のために必要です。(介助者が1人では危険です。門の手前の坂や門を越える時に介助が必要となります。) なお、建物内は、エレベーターも無く、手摺があるものの非常に急で狭い階段になっているため、車いすでの見学はできません」

と書いてある。

国宝や重要文化財は「文化財保護法」によって保護することが定めらており、建造物の価値を損ねないよう慎重に補修すると決められていることから、スロープやエレベーター等バリアフリ化は容易ではなく、人気で歴史がある城であればあるほど反発も根強い。

「認知症が進行しても城の写真を置き続ける祖母」

 まだ祖母が要介護2で足腰はいまほど弱くない時、祖母の故郷である篠山の城へ行ったことがある。

 篠山城は車椅子をもちこまないといけなかったが通行道は比較的広く、バリアフリー対応のトイレ等もあり大変助かった思い出がある。

城から篠山や兵庫県中部の山並みの景観がみえ、ちょうど桜のシーズン。

祖母は「うわー桜がきれいだね、いい死に土産ができたわ」と冗談が飛び出すぐらい笑顔で嬉しそうな表情をみせた。

家族みんなで駄菓子を食べた後、写真を撮影しそれを今でも時折祖母は思い出したかのようにテレビや鏡の上に置いたりしている。

姫路城も天守閣以外であれば、

http://barrier-free-map.com/6510.php によると、城の入り口や西ノ丸ルートや備前丸ルートなどがバリアフリーに対応している。

文化財保護法では、国宝や文化財をできるだけ公開し、障がいをもつ人、高齢者などすべての人が、より快適に文化財に触れる機会を増やすよう進めている。

ちなみに他の城は大阪城は3基エレベーターがあり1基は1~8階の展望台まであったり、熊本城は現在修復中でエレベーターが設置予定ではあるものの、全国の城で天守閣部分のバリアフリーへの道は険しい。

外国人観光客の増加や高齢化に加え、2020年には東京オリンピックでパラリンピックも開催されるので、姫路城の天守閣は是非バリアフリーに一歩でも近づいてほしいと思っている。

天守閣の最上階からみえる兵庫県の街や山並み、実物の1/20で製作された姫路城の模型、鉄砲や弓、槍などを掛けておく武具掛けなど見所盛りだくさん。

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天守閣6階頂上の景色

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姫路城を1/20で再現した模型

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武具掛け

エレベーターの設置が難しければ、まずは車椅子の貸し出しをしてくれるところからスタートしてはどうだろうか。

きっと私たち家族のようなお金では変えがたい世界遺産級の思い出が作れる人たちも少ないはずだから。